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亜鉛の効果とは?多く含む食べ物や亜鉛不足のサイン・摂取時の注意点を解説

2025.06.08

私たちの健康維持に欠かせない栄養素のひとつ「亜鉛」。近年、その重要性が注目されていますが、具体的にどのような効果があるのか、不足するとどうなるのかについて詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、亜鉛の基本情報から効果、多く含まれる食品、摂取時の注意点まで幅広く解説していきます。亜鉛不足が気になる方、健康管理に関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

亜鉛とは

亜鉛は、私たちの筋肉や骨、皮膚、肝臓、腎臓、膵臓、さらには髪や爪などにも広く分布する必須ミネラルの一つです。

最大の特徴は、300種類以上の酵素反応に関与している点です。これらの酵素は、DNAやRNAの合成、新しい細胞の生成、タンパク質の構築など、体内で行われる様々な代謝活動を支えています。

特に細胞分裂や新陳代謝が活発な器官や組織では亜鉛が欠かせず、胎児や乳幼児の成長期に亜鉛が不足すると、成長障害や発育不全を引き起こすことも。大人の場合も、味覚障害や免疫機能の低下、脱毛、生殖機能の低下など、亜鉛不足が引き起こす症状は多岐にわたります。

このように私たちの体で重要な役割を果たす亜鉛ですが、人体には亜鉛を長期間蓄えておく機能がありません。そのため日常的に食事から摂取したり、不足している分をサプリメントで補ったりなど、意識して亜鉛を摂取することが重要です。

亜鉛の1日の摂取量

厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、成人の亜鉛推奨量は以下のとおりです。

年齢や性別によって必要量が異なりますが、一般的に男性の方が女性より必要量が多くなっていることが特徴です。また、妊娠中や授乳中の女性は通常よりも多くの亜鉛を必要とします。

現代の食生活では、平均的な亜鉛摂取量は推奨量をやや下回る傾向があるとされており、特に若年女性や高齢者では亜鉛が不足しがちだと言われています。

亜鉛不足のサイン

亜鉛が不足すると、様々な症状が現れることがあります。以下の症状が見られるときは、亜鉛不足のサインかもしれません。

・味覚障害(甘味や塩味を感知しにくくなる)
・皮膚トラブルや脱毛・薄毛の進行
・免疫力の低下
・食欲不振
・生殖機能の低下
・認知機能の低下 など

ただしこれらの症状が見られたとしても、必ずしも亜鉛不足が原因とは限りません。他の栄養素の不足や別の病気の可能性もあるため、気になる症状がある場合は医師に相談することをおすすめします。

亜鉛の効果

ここからは、亜鉛がもたらす主な健康効果について詳しく見ていきましょう。

味覚を正常に保つ

亜鉛は、舌の表面にある味蕾(みらい)の形成と機能に重要な役割を果たしています。味蕾とは味の感受性を担う組織で、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を感じる能力に関わる器官です。

亜鉛が不足すると、味蕾の数が減少したり、機能が低下したりして、味覚障害(味覚減退や味覚異常)を引き起こす可能性が出てきます。特に高齢者や特定の薬を服用している方は、亜鉛不足による味覚障害のリスクが高まることも。

実際、味覚障害に対する亜鉛補充療法の有効性を示す研究結果も多く報告されており、亜鉛サプリメントの摂取により味覚が改善したケースも見られるようです。

皮膚の炎症やかゆみ、脱毛を防ぐ

亜鉛には抗炎症作用や細胞を修復・再生する働きがあることから、ニキビやアトピー性皮膚炎、乾燥肌や掻痒症(かゆみ)など、様々な皮膚トラブルの改善や予防に効果が期待されています。

また、亜鉛はケラチンというタンパク質を合成するために不可欠なミネラルです。ケラチンは爪や毛髪の主成分であり、亜鉛不足は脱毛や薄毛の原因となることも。特に男性型脱毛症(AGA)との関連も指摘されており、適切な亜鉛摂取は健康な髪の毛の維持に役立つ可能性があります。

体の成長・発育を助ける

亜鉛は細胞分裂やタンパク質合成、DNA複製に関与するため、成長期の子どもや胎児の発育に欠かせない栄養素です。

亜鉛不足が続くと、新しい細胞の生成が滞り、低身長や骨密度の低下などの成長障害や発育不良が起こる可能性も。また、成長ホルモンや性ホルモンの産生にも関わるため、思春期の正常な発達にも欠かせません。

さらに妊娠中に亜鉛が不足すると胎児の発育に悪影響を及ぼし、低出生体重児や先天性異常のリスクが高まることも指摘されています。

免疫力を向上させる

亜鉛には、免疫力を向上させる効果もあります。亜鉛がナチュラルキラー細胞(NK細胞)やマクロファージなど自然免疫系の働きを強化することから、ウイルスや細菌から体を守ってくれるのです。

亜鉛不足になると免疫力が低下し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるほか、傷の治癒が遅れることがあります。また、高齢者では亜鉛不足が肺炎など重篤な感染症リスクを高める要因となることも知られています。

抗酸化作用による老化防止・病気予防

亜鉛には強力な抗酸化作用があり、体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)を除去するのに役立っています。

活性酸素は細胞や組織にダメージを与え、老化を促進したり、様々な疾患のリスクを高めたりする要因です。これを除去することで、老化や生活習慣病(動脈硬化、糖尿病など)の予防につながります。

さらに、亜鉛はDNA修復機能にも関与しており、遺伝子の安定性を保つことでがん細胞の異常増殖を抑制する効果も期待されています。

生殖機能が改善する

亜鉛は男性・女性双方の生殖機能に深く関わっています。

男性では精子形成に不可欠であり、不足すると精子数の減少や運動性低下が起こる可能性があります。また、亜鉛は前立腺にも多く含まれており、その健康維持にも重要です。一方で女性では卵巣機能を正常化し、不妊症改善にも寄与するとされています。

さらに、亜鉛はテストステロン(男性ホルモン)の生成にも関与しており、不足すると性欲低下や筋力減少につながることがあります。適切な亜鉛摂取は生殖能力向上だけでなく全身的な健康維持にも役立つのです。

その他の効果(貧血改善、うつ症状の緩和など)

亜鉛には、上記で紹介した効果以外にも様々な健康効果があります。

・貧血の改善
・うつ症状の緩和
・創傷治癒の促進
・糖代謝の改善
・視力の保護

これら多岐にわたる効果からも分かるように、亜鉛は健康維持だけでなく病気予防や治療補助としても非常に重要な栄養素です。日常的な食事から十分な量を摂取し、不足しないよう心掛けることが大切です。

亜鉛を多く含む食べ物

亜鉛を効率よく摂取するには、日常的に亜鉛を多く含む食品を食べることが大切です。以下に亜鉛を多く含む食品を紹介していきます。

日本食品標準成分表(八訂)増補2023年より作成

バランスの良い食事を心がけることで、様々な食品から亜鉛を摂取することができます。ただし、植物性食品に含まれる亜鉛は、動物性食品に比べて吸収率が低い傾向があることも覚えておくと良いでしょう。

亜鉛を摂取する際の注意点

亜鉛を摂取する際には、いくつかの注意点があります。適切な摂取方法を知り、効果的に亜鉛を摂り入れていきましょう。

亜鉛の摂りすぎは体に悪影響を及ぼす

亜鉛は必須ミネラルですが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。日本人の亜鉛摂取上限量は成人で45mg/日と設定されており、過剰に摂取すると以下のような症状が現れることがあります。

・吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状
・頭痛、めまい
・疲労感
・銅の吸収阻害による銅欠乏症(貧血、白血球減少症など)
・鉄やカルシウムなど他のミネラルの吸収低下
・免疫機能の低下

特に注意すべきは、長期間にわたる過剰摂取です。高用量の亜鉛サプリメントを長期間摂取すると、体内で銅が不足し、貧血や神経障害などの健康問題を引き起こす可能性も。特にサプリメントを使用する場合は用量を守り、医師や栄養士の指導のもとで適切に摂取することが大切です。

サプリメントは空腹時を避けて飲む

亜鉛サプリメントを摂取する場合、空腹時を避け、食後に摂取することが推奨されています。

理由としては、空腹時に高用量の亜鉛を摂取すると、吐き気や胃部不快感などの消化器症状が現れやすくなることが挙げられます。食事と一緒に摂ることでこれらの副作用を軽減できるため、食後の服用が望ましいとされているのです。

また、食事中のタンパク質は亜鉛の吸収を促進する効果があります。特に動物性タンパク質は亜鉛の吸収率を高めるため、肉や魚などを含む食事と一緒に摂取することで、亜鉛の利用効率が向上します。

亜鉛の吸収を妨げる食品と一緒に摂らない

亜鉛の吸収を妨げる食品や成分があることを知っておくことも重要です。以下のような食品や成分は、亜鉛の吸収を阻害する可能性があります。

1.フィチン酸を多く含む食品

穀物(特に精製していない全粒穀物)、豆類、ナッツ類などに含まれるフィチン酸は亜鉛と結合して不溶性の複合体を形成し、亜鉛の吸収を阻害する。ただし発酵や調理によってフィチン酸含有量は減少するため、パンや納豆などの発酵食品ではこの影響が軽減される

2.食物繊維

食物繊維の摂取量が非常に多い場合、亜鉛の吸収が低下する可能性がある。ただし、通常の食事レベルでは大きな問題にはならないとされている

3.カルシウムやマグネシウムなどのミネラル

高用量のカルシウムやマグネシウムのサプリメントは、亜鉛の吸収を阻害することがある。複数のミネラルサプリメントを摂取する場合は、時間をずらして摂取すると良い

4.葉酸サプリメント

高用量の葉酸サプリメントも、亜鉛の吸収を妨げる可能性があるとされている

5.コーヒーや紅茶に含まれるタンニン

茶や赤ワインなどに含まれるタンニンも、亜鉛の吸収を阻害する可能性がある。亜鉛サプリメントを摂取する際は、これらの飲料と一緒に摂ることは避ける

亜鉛の吸収を高めるためには、亜鉛を含む食品やサプリメントを、これらの吸収阻害要因から時間的に離して摂取することが効果的です。また、タンパク質を多く含む食品と一緒に摂ることで、亜鉛の吸収率を高めることができるでしょう。

まとめ

亜鉛は私たちの健康維持に欠かせない微量ミネラルです。味覚の正常化、皮膚や髪の健康維持、成長発達のサポート、免疫機能の強化など、多岐にわたる生理機能に関わっています。

毎日の食事内容を見直し、必要に応じてサプリメントも上手に活用しながら、亜鉛不足を予防していきましょう。

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