シモンコライト
Zn5(OH)8Cl2·H2O (塩基性塩化亜鉛)
シモンコライトは、化学式Zn5(OH)8Cl2·H2Oであらわされる人体に害の少ない塩基性塩化亜鉛です。水酸化物特有の板状結晶が、球状に集積した構造を有しています。
生理食塩水中での亜鉛イオンの溶出は1週間以上にわたって穏やかに継続し、溶出時のpHは約7.27と、体液に近いものとなっています。
SEMによる粒子径観察(粉砕効果の確認)
粉砕時の粒子径をSEMにより観察した。
![シモンコライト未粉砕品](https://simonkolleite.jp/labo/wp-content/uploads/2022/12/f8213572a5e6086934d879b334f90cff-1024x768.jpg)
未粉砕品
レーザー回折粒子径:約5,000nm
![シモンコライト粉砕後](https://simonkolleite.jp/labo/wp-content/uploads/2022/12/88b6ef0d810b0f341d0a8e44449eb229-1024x768.jpg)
粉砕品
レーザー回折粒子径:約200nm
シモンコライト一次粒子径が粉砕によって小さくなることが確認された。
200nm程度の粒子径となっており、透明性発現が期待される。
シモンコライト塗布膜写真
![シモンコライト塗布膜実験、経過画像](http://simonkolleite.jp/labo/wp-content/uploads/2022/02/14_tofu-1-1024x356.jpg)
PPフィルムの上に、12.5μmアプリケーターを用いて自動コーターにより塗膜した。
粒子径を小さくすることで、透明性が高くなっていることが確認された。
粒度分布測定結果
![粒度分布測定グラフ](http://simonkolleite.jp/labo/wp-content/uploads/2022/02/05_ion03.png)
シモンコライトのZn2+溶出特性
亜鉛イオン即時溶出量
![亜鉛イオン即時溶出量グラフ](https://indigocat29.sakura.ne.jp/test/wp-content/uploads/2022/01/03_ion01@2x.jpg)
亜鉛イオン徐放性
![亜鉛イオン徐放性グラフ](https://indigocat29.sakura.ne.jp/test/wp-content/uploads/2022/01/04_ion02@2x.jpg)
シモンコライトは亜鉛イオンを持続的に溶出する特性を持つ。
⇒患部に塗布した後、塗り直しの必要なく亜鉛イオンを供給し続けることができる。
シモンコライトのZn2+他の亜鉛化合物との比較溶出特性
![シモンコライトの亜鉛化合物との比較溶出特性一覧表](https://indigocat29.sakura.ne.jp/test/wp-content/uploads/2022/01/05_hikaku.jpg)
シモンコライトは患部に対して温和な環境で、亜鉛イオンを持続的に供給する特性を持つ。
創傷治癒に対する亜鉛イオンの作用機序
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)
- 亜鉛活性型のタンパク質分解酵素
- 細胞外マトリックスを加水分解する
- 細胞遊走の促進
- 血管新生の促進
インターロイキン-6(IL-6)
- 亜鉛はIL-6の産生に関与
- 血管透過性の亢進
- 炎症性細胞の遊走促進
ROSの分解
- 褥瘡部で起こる酸化ストレスを低下
ATP分解酵素
- 炎症を引き起こす細胞外ATPを分解
剤形の提案
![剤形提案/軟膏の場合のメリットと注意点](https://indigocat29.sakura.ne.jp/test/wp-content/uploads/2022/01/13_zai01@2x-3.png)
![剤形提案/スプレーの場合のメリットと注意点](https://indigocat29.sakura.ne.jp/test/wp-content/uploads/2022/01/13_zai02@2x-4.png)
![剤形提案/被覆材の場合のメリットと注意点](http://simonkolleite.jp/labo/wp-content/uploads/2022/02/44a76214ac16307bab5f569d0062951a.png)