Effect&Efficacy

シモンコライトの消臭効果

2025.06.08

シモンコライトが叶える次世代の消臭・防臭技術

私たちが日々の生活の中で無意識に感じている「不快感」の中には、「ニオイ」が大きく関係していることをご存じでしょうか。

例えば、自宅の玄関に漂う靴のニオイ、夏場の車内にこもる汗のニオイ、ペットのトイレ周辺の独特な臭気、あるいは人との距離が近づいたときにふと感じる体臭や口臭——。これらの「ニオイ」は、見えないからこそ厄介で、生活の質(QOL)を大きく左右するにもかかわらず、根本的な対策を講じられていないケースも少なくありません。

さらに近年では、こうしたニオイに対する感受性の高まりにより、「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉が広がりを見せています。清潔にしているつもりでも、ニオイに対する他人の評価や印象は、思った以上に厳しいものです。ある調査によれば、働く人の半数以上が「職場で他人の体臭が気になった経験がある」と回答しており、ニオイの問題は単なるエチケットではなく、社会的マナーや対人関係にも影響を及ぼす重要な課題となっているのです。

とはいえ、ニオイを完全になくすのは簡単ではありません。洗濯をしても取れない衣類のニオイ、いくら掃除しても残るトイレの臭気、毎日シャンプーしても気になる頭皮のニオイ……。これらのニオイの根本には、微生物や揮発性有機化合物(VOC; Volatile Organic Compounds)、そしてそれらの代謝産物が関わっていることが、近年の研究で明らかになっています。

特に日本のように高温多湿な気候では、菌の繁殖が活発になるため、汗や皮脂、食べカス、生活ゴミなどが微生物によって分解されやすく、悪臭の原因物質(アンモニア、イソ吉草酸、硫化水素、メチルメルカプタンなど)が発生しやすい環境にあります。こうした状況の中で、私たちは芳香剤やスプレー、炭素材などを活用してニオイに対処していますが、それらは一時しのぎの「応急処置」に過ぎないことも多いのです。

さらに、体臭や足臭など「自分では気づきにくい」ニオイほど厄介なものはありません。

体臭の元となる脂肪酸(イソ吉草酸などの低級脂肪酸)は、汗や皮脂などの分泌物が皮膚表面の常在菌によって分解された結果生じるものであり、「汗=臭い」ではないという事実も知られてきました。また、人によっては、汗に含まれる脂肪酸や皮脂の分解量に違いがあるため、汗臭の強さには個人差があることも報告されています。

つまり、「汗をかいたからニオイがする」のではなく、「ニオイが生まれやすい環境があるから臭う」のです。

こうした背景を踏まえると、私たちが目指すべきは単なる「ニオイ隠し」ではなく、悪臭成分の発生を抑制し、臭気分子を分解・除去できる、より本質的な消臭・防臭アプローチです。これを実現するためには、ニオイの原因を科学的に理解し、それを制御するための素材や技術が必要になります。

ここで登場するのが、シモンコライトという天然鉱物でもある機能性素材です。

シモンコライトは、これまでの消臭剤とは一線を画す素材であり、抗菌作用・物理吸着・化学反応という三つの側面からニオイにアプローチすることができる、いわば「消臭の複合ソリューション」として期待されています。

この記事では、まずニオイの正体を明らかにし、これまでの消臭アプローチとその限界を確認したうえで、シモンコライトに期待される消臭メカニズムとその優位性について詳しく解説していきます。

「なぜニオイが発生するのか?」
「どうすれば根本から防げるのか?」
「そして、シモンコライトはその答えになり得るのか?」

生活の快適性と自信を支える“消臭・防臭”というテーマに、科学的に、そして実用的に迫っていきましょう。

臭いの原因

「ニオイ」というものは、非常に個人的で主観的な感覚でありながらも、社会生活において無視できない現象です。特に不快なニオイ、いわゆる「悪臭」の正体は、空気中を漂う微量の化学物質(臭気分子)です。これらの臭気分子は、汗や皮脂、汚れといった生体由来の成分が、皮膚常在菌や環境中の細菌によって分解されることで生まれます。そしてその多くが、揮発性有機化合物(VOC)や揮発性硫黄化合物(VSC; Volatile Sulfur Compounds)に分類され、ごく微量(ppb以下)でも人間の嗅覚に強烈な印象を与えることが知られています。

主な悪臭成分と発生源

特にイソ吉草酸は、足臭の主成分として明確に同定されており、汗と皮脂が混ざった状態で細菌分解を受けるときに生成されます。

腋臭(ワキガ)においては、上記のペラルゴン酸・カプリン酸のような低級脂肪酸のほか、皮膚上での脂肪酸酸化により生成されるビニルケトン類(例:1-octen-3-one、cis-1,5-octadien-3-one)が関与することが、近年の研究で明らかになってきました。

汗は本来「無臭」だという事実

よく「汗臭い」と言われますが、実は汗自体にはほとんどニオイがありません。ニオイの原因となるのは、汗が出た後に皮膚表面で起こる「微生物分解反応」によるものです。特に以下の腺が関係します:

▸ エクリン腺

全身に分布し、水分と塩分中心の透明な汗を出す。基本的に無臭。

▸ アポクリン腺

腋や外耳道、陰部などに限局。タンパク質・脂質・鉄分などを含む白濁した汗で、菌による分解で強い体臭の原因に。

▸ 皮脂腺

皮脂を分泌する。酸化により加齢臭や脂臭の元に。

つまり、体臭は「汗や皮脂」ではなく、それらの「菌による代謝や酸化反応」の結果だと理解するのが正確です。

ニオイの個人差は「金属塩化の程度」による?

同じような生活環境でも「汗臭の強さ」には個人差があり、その要因の一つとして脂肪酸の「遊離」状態か「金属塩化」状態かの違いが挙げられています。

つまり、脂肪酸が皮膚表面の亜鉛やマグネシウムイオンと反応し、不揮発性の金属塩として安定化していればニオイになりにくく、一方、脂肪酸が遊離したままであれば、空気中に揮発し、強い悪臭を放つのです。

生活空間のニオイも、原因は「菌と分解」

生ゴミの腐敗臭やトイレのアンモニア臭、ペットのトイレ周辺のニオイなども、同様のメカニズムで生じています。たとえば、生ゴミにはタンパク質や脂肪が含まれ、それが腐敗菌や嫌気性細菌により分解されることで、硫化水素やメチルメルカプタンといった強い悪臭成分が発生します。

これらの物質は、ごく微量でも人間にとって不快に感じられ、かつ他人に与える印象にも直結するため、現代人の生活において消臭対策の重要性は年々高まっています。

悪臭対策の第一歩は「原因の特定と分解」から

ニオイを根本から抑えるためには、まず「どんな成分が、どこから、どんなメカニズムで発生しているのか?」を明らかにしなければなりません。

その上で、ただ香りで隠すのではなく、発生源の菌を抑える・悪臭成分を分解する・揮発を抑えるといった根本的な対処が求められるのです。

消臭を科学する

「消臭」とは、単にニオイを「感じにくくする」ものではなく、悪臭成分そのものを除去・中和・不揮発化し、再発しないようにする科学的アプローチです。人が「臭い」と感じるのは、鼻の奥にある嗅覚受容体が、空気中の揮発性分子を検出した瞬間です。つまり、ニオイの元を空気中からなくす、あるいは揮発しない形に変えてしまうことが、真の意味での消臭となります。

消臭には4つの基本アプローチがある

消臭メカニズムは、大きく以下の4つに分類されます。

【1】物理的消臭:吸着

これはもっとも古くからある消臭法で、活性炭やゼオライト、シリカゲルなどの多孔質素材が悪臭成分を吸着し、空気中から取り除く仕組みです。

吸着には以下の特徴があります

・悪臭成分を一時的に捕まえる(分解はしない)
・吸着容量を超えると再放散(ニオイの逆流)が起きる
・吸着力は素材の比表面積と細孔径分布に依存する

例えば、活性炭の表面積は1gあたり1,000~2,000m²と非常に広く、臭気分子を吸着しやすいですが、水分を吸うと効果が落ちるなどの弱点もあります。

【2】化学的消臭:反応による無臭化

悪臭成分に対して、中和反応・酸化還元反応・塩形成などを起こし、無臭物質に変換するのが化学的消臭です。これは、「ニオイの根本を変質させる」強力な方法です。

具体的には以下のような反応が利用されています:

酸で中和:アンモニア(NH₃)+ 酢酸 → 酢酸アンモニウム(無臭)
酸化で分解:硫化水素(H₂S)+ オゾン → SO₂+H₂O
金属塩形成:イソ吉草酸 + 亜鉛イオン(Zn²⁺) → イソ吉草酸亜鉛(不揮発・無臭)

この分野で注目されているのが、金属イオン(亜鉛やマグネシウムなど)の働きです。

▶ 金属塩化反応のメカニズム(亜鉛を例に)例えば、体臭・足臭の原因とされるイソ吉草酸は、空気中に揮発して不快なニオイを放ちますが、亜鉛化合物から放出された亜鉛イオン(Zn²⁺)が反応することで、不揮発性のイソ吉草酸亜鉛を形成します。これにより、悪臭成分が空気中に放出されなくなります。

【3】抗菌防臭:ニオイの発生源を断つ

ニオイの多くは、汗や皮脂などの分泌物が菌によって分解されることで生成されます。したがって、菌の活動そのものを抑えることで、ニオイの「発生そのもの」を防ぐという方法が「抗菌防臭」です。

以下の金属イオンに高い抗菌性があることが確認されています。

特に亜鉛は、抗菌防臭性と化学消臭性を兼ね備えているため、体臭や生活臭のトータルケアに非常に適しています。

【4】感覚的消臭(マスキング):香りで覆う

芳香剤や香水などに代表されるこの方法は、ニオイの本質的な解決にはなりませんが、「香りで嫌なニオイを感じにくくする」ために使われます。

しかし、根本のニオイが残っている場合、香料と混ざって不快感を増幅させてしまうリスクもあるため、単独使用には注意が必要です。

ハイブリッドメカニズムの重要性

近年の消臭研究では、「1つの方法だけでは限界がある」とされ、複数の消臭原理を組み合わせた“ハイブリッド型”の素材が注目されています。
例えば、

・多孔質構造による吸着(物理的)
・金属イオンによる化学反応(化学的)
・抗菌作用による臭気分子の発生防止(生物的)

これらを同時に実現できる素材は非常に限られていますが、その一つがシモンコライトです。

これまでの消臭剤・防臭剤について

これまで私たちが日常的に使用してきた「消臭剤」や「防臭剤」は、ドラッグストアやホームセンターなどで手軽に手に入る製品が多く、広く普及しています。しかしながら、その多くは“ニオイをごまかす”ことに主眼が置かれており、ニオイの根本原因にアプローチするものではないことが、近年の研究で明らかになっています。

主流だった「感覚的消臭」の限界

従来の消臭剤の多くは、「良い香りで悪臭を覆い隠す」タイプ、いわゆるマスキング型が主流でした。これには芳香剤、アロマ、ルームスプレーなどが含まれます。この方式は即効性があり、嗅覚的な印象を一時的に良くする効果はあるものの、悪臭の原因成分そのものは空気中に残り続けているため、香りが薄れるとすぐにニオイが再発してしまいます。また、芳香成分と悪臭成分が混ざることで“混合臭”となり、かえって不快に感じることもあるという報告もあります。

吸着型消臭剤の役割と限界

物理的な吸着によって臭気分子を取り除く活性炭・ゼオライト・シリカゲルなどの素材は、比較的安全性が高く、繰り返し使える利点があります。とくにゼオライトはナノサイズの細孔を持ち、特定サイズの臭気分子を選択的に取り込む性質があります。

しかしこの方式には明確な課題があります

飽和すると吸着力が低下し、再放出の危険性がある
臭気分子を分解するわけではなく、“一時的な貯蔵”にすぎない
湿度が高い環境では水分を吸着してしまい、脱臭力が著しく落ちる

特に日本のような高温多湿の環境下では、活性炭やゼオライトの効果が持続しづらいことが問題視されています。

化学反応型の消臭剤の台頭

近年注目されているのが、悪臭成分と化学的に反応し、構造を変化させて無臭化する“化学反応型”の消臭剤です。

消臭に利用されている代表的な化学反応を以下に示します。

特に金属イオン(Zn²⁺、Mg²⁺など)を用いた消臭法は、揮発性の悪臭成分を不揮発性の金属塩に変換できるため、非常に効果が高いとされています。

制汗・抗菌による防臭技術の進化

「防臭」に特化した製品では、汗の発生そのものを抑える“制汗成分”や、ニオイの原因菌を抑制する“抗菌成分”が使われています。

・制汗成分:アルミニウム塩(ACH)、ジルコニウム塩など
・抗菌成分:銀イオン(Ag⁺)、イソプロピルメチルフェノール、亜鉛化合物(ZnO)など

しかし、制汗成分に多く使われるアルミニウム塩は、長期使用による肌刺激や腋の詰まり感などを訴える人も多く、安全性面で再評価が進んでいます。

市場での新たなニーズ:「無香料で根本的に効く」

消費者のニーズは年々変化しており、最近では次のような要望が増えています

・「香りでごまかすのではなく、本当にニオイを消してほしい
・「肌にやさしく、成分がシンプルで安全なものがいい」
・「持続性があって、一日中効果が続くものが欲しい」
・「ペットや子どもにも使える、ナチュラルなものが理想

こうしたニーズに応えるには、単に香りを追加したり、吸着剤を加えたりするだけでは不十分です。求められているのは、科学的に根拠のある多機能型消臭素材なのです。

新素材に求められる条件

これからの消臭・防臭素材には、以下の条件が求められます

臭気成分を吸着+分解する複合的機能
菌の増殖を防ぐ抗菌作用
肌や環境にやさしい安全性
湿度や温度など、使用環境に左右されない安定性

このような複合性能を自然由来で満たす素材は、まだ限られています。そこで次に紹介するシモンコライトが、まさにこのすべてを兼ね備えた次世代型消臭素材として期待されているのです。

シモンコライトの消臭効果について

ニオイを“感じなくする”だけの時代は終わりました。今、求められているのは、悪臭の発生を未然に防ぎ、発生してしまった悪臭成分を根本から無臭化する素材です。その条件を満たす次世代の消臭素材として、今、期待されているのがシモンコライト(Simonkolleite)です。

シモンコライトとは:機能性に優れた亜鉛鉱物

シモンコライトは、化学式 Zn₅(OH)₈Cl₂·H₂O で表される塩基性塩化亜鉛であり、天然に存在する鉱物でもありますが、近年では化学的に合成された高純度シモンコライトが研究・応用の中心となっています。

この機能性亜鉛化合物の大きな特徴は、抗菌作用を有することと、層状基本構造を有すること、そして徐放性に優れた亜鉛イオンの供給源となることです。シモンコライトは、抗菌作用による防臭、悪臭成分の吸着や分解において、他の亜鉛化合物とは一線を画す性能を持っています。

消臭における3つの作用メカニズム

シモンコライトは、以下の3つの消臭メカニズムを同時に実現できる、極めて珍しい素材です。

抗菌作用による防臭

臭気は「発生したニオイをどう消すか」だけでなく、「そもそも発生させないこと」が重要です。

銀や銅などの金属に抗菌性があることは古くから知られていますが、亜鉛もその一つで、亜鉛イオンが抗菌活性を示す金属イオンであることは多くの研究で知られています。

昨今、テイカ製薬株式会社は、シモンコライトが、体臭や頭皮臭などを生じさせる原因微生物として知られているコリネバクテリウム属細菌、モラクセラ属細菌及びマラセチア属真菌等の皮膚常在菌に対する抗菌性を有していることを見出しました。さらに、この抗菌効果は、水中に遊離した亜鉛イオンによるものではなく、シモンコライトそのものに起因することも明らかとなりました。このようにシモンコライトは、悪臭成分を作り出している皮膚常在菌の増殖を抑制することで、体臭や足臭など、臭気の原因そのものを断ち切ることができるのです。

悪臭成分の物理吸着

一方、発生してしまった悪臭成分はどうなるのか。

シモンコライトは、原子配列が二次元的な層状基本構造を持ち、層と層が比較的弱い力で結合している層状化合物であり、層間に臭気分子を挿入させることにより、消臭ができます。そして、結晶形状に拘わらず、アンモニア、硫化水素、イソ吉草酸などの臭気分子を吸着することが報告されています。

悪臭成分の化学的無臭化(亜鉛塩化反応)

亜鉛化合物から放出された亜鉛イオン(Zn²⁺)はイソ吉草酸などの揮発性の低級脂肪酸と反応し、揮発性を失った金属塩(例:イソ吉草酸亜鉛)を形成することが報告されています。

シモンコライトも亜鉛化合物の一つであり、同様に亜鉛イオンを放出しますので、悪臭成分である揮発性の低級脂肪酸と亜鉛塩を形成し、無臭化できると考えられます。この反応により、体臭・足臭・靴臭・衣類臭の原因成分を空気中から除去し、根本的な無臭化が可能になります。さらに、この反応は、低級脂肪酸のほか、硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン)にも応用可能です。

持続的な消臭力:亜鉛イオンの徐放性

塩化亜鉛や硫酸亜鉛などの亜鉛塩が、水に対する溶解度が高く、水に溶けて亜鉛イオンを速やかに生成するのに対して、シモンコライトは水に対して不溶で、水やエタノール等の分散媒体に分散させ、水分と接触させたときに、ゆっくりと亜鉛イオンを放出する構造を持っています。また、同じく水に不溶でゆっくりと亜鉛イオンを放出する酸化亜鉛と比べると、シモンコライトは、亜鉛イオンの即時溶出量や亜鉛イオン徐放性において勝っています。そして、この「徐放性」ゆえに、シモンコライトは使い捨てではなく、一度使用すれば長時間効果が持続するため、スプレー、シート、衣類加工、マスクなど、あらゆる用途への展開が期待できます。

皮膚親和性と安全性の高さ

シモンコライトは、生理食塩水中での亜鉛イオン溶出時のpHは約7.27と体液に近く、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛と異なり、皮膚刺激も収れん作用もないことが報告されています。これは、腋用スプレーや制汗剤、靴下・インナーウェアなど皮膚に長時間接触する製品への応用において非常に重要な特性です。

また、シモンコライトは、亜鉛イオンを徐々に放出して酵素とともに皮膚に柔軟性を与えて保護する成分として、化粧品成分としての使用実績もあり、高い安心感を提供します。

実用的な応用可能性:素材としての柔軟性

消臭素材としてのシモンコライトは、固形状担体(例:樹脂のような賦形剤)に含有させることにより、粉末状、ビーズ状、タブレット状などの固形消臭剤として、液状担体(例:水、エタノール)に含有させることにより、スプレーのような液状消臭剤として、または、織布・不織布のような布帛に含侵させることにより、消臭性紙や消臭性布帛のような消臭剤として用いることができると考えられています。また、これまで、一般的に流通するシモンコライト結晶は粒子径が大きく、凝集性も有していることから、化粧料用原料には適さないと考えられていましたが、テイカ製薬株式会社は、シモンコライト結晶をナノレベルのサイズに微細化する微細化処理工程を構築し、さらに、分散剤の添加により凝集性の課題も解決しました。これにより、シモンコライトは、化粧料用原料にも応用することが可能になりました。

シモンコライトが拓く、消臭の新時代

シモンコライトは、「ニオイを香りでごまかす」のではなく、ニオイの“発生源を科学的にコントロールし、発生しても確実に消し去るという根本的な消臭ソリューションを実現する、まさに“次世代型の機能性素材”です。

その本質は、抗菌性、吸着性、化学的無臭化能にあります。ニオイの原因菌となる皮膚常在菌(例:コリネバクテリウム、マラセチアなど)を抑制し、悪臭成分の生成自体を防止します。そして、すでに発生した悪臭成分に対しては、層状構造体への吸着や、亜鉛イオンとの化学反応による金属塩化によって無臭化します。

このように、シモンコライトは単なる「消臭剤の原料」ではなく、人間の生理環境と共存しながら、衛生・快適性・美観・健康の向上を支援する高機能ミネラル素材としての性格を色濃く帯びています。しかも、天然由来の素材であることから安全性が高く、敏感肌・小児・高齢者・ペット周辺など幅広い応用環境に対応可能です。

──これまで“仕方のないもの”として諦められてきたニオイの悩み。その常識を、科学の力で覆す素材があるとすれば、それがシモンコライトです。シモンコライトは単なる“ニオイを抑える素材”ではなく、抗菌性、吸着性、化学的無臭化能、安全性そして持続性という複合機能を兼ね備えた“トータル臭気コントロール素材”ということができます。

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1年間のシモンコライト使用検証結果

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