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ミノキシジル/シモンコライトの比較調査
2025.02.13
数々のAGA治療薬の中でも「ミノキシジル」は医薬品として定評です。しかし病院や薬局で処方してもらう分、高価でなかなか気軽に使用できないのが難点。 一方で、今回ミノキシジルに対抗しうる「シモンコライト」について、効果や価格、安全性などを解説していきます。
シモンコライトとミノキシジルについて
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として用いられた医薬品です。脱毛症を回復させる効果が発見され、AGA(男性型脱毛症)の外用薬として使われるようになりました。ミノキシジルを使った商品は第一類医薬品として登録されています。 一方、シモンコライト(プレミア亜鉛)は鉱物です。必須微量元素である亜鉛を多く含み、亜鉛不足になりがちな動物の飼料添加物に利用されています。 具体的に亜鉛不足になると、毛包の機能低下を引き起こし、これがさらなる脱毛や髪の質の低下につながることがあります。
シモンコライト対ミノキシジル
①動物実験
動物実験では、ネズミのひげの毛包を用い、それぞれ異なる培養液に浸して毛の成長を比較しました。
実験結果によると、培養開始から3日目まではミノキシジルが最も長く伸びました。しかし、4日目にはシモンコライトも同程度の長さに達し、5日目以降はミノキシジルが横ばいになる一方で、シモンコライトはさらに伸び続けるという結果が得られました。
この研究により、シモンコライトはミノキシジルと同様に「毛を生やす力」を持つだけでなく、より持続的に「毛を伸ばす力」があることが明らかになりました。これは亜鉛がケラチンの生成に必要である点とも関係していると考えられています。
シモンコライトの発毛促進効果については、新聞などのメディアでも取り上げられており、今後さらなる研究が期待されています。
②作用機序
薬の効果がどのように発揮されるのかを分子レベルで解明する仕組みを「作用機序」といいます。今回は、発毛成分として知られる ミノキシジル と、新成分 シモンコライト(プレミア亜鉛) の作用機序について解説します。
ーミノキシジルの作用機序
ミノキシジルは、発毛サイクルを正常化し、以下のような働きを持つことが知られています。
毛乳頭細胞の増殖促進
毛を作る細胞の増殖を促し、発毛を促進。
毛母細胞の細胞死抑制
毛を生成する毛母細胞の生存をサポートし、健康な発毛を維持。
毛組織の血流改善
血流を促進し、毛根への栄養供給を増やすことで発毛環境を改善。
ーシモンコライト(プレミア亜鉛)の作用機序
シモンコライトは 塩基性塩化亜鉛(Zn₅(OH)₈Cl₂·H₂O) を主成分とする新しい発毛成分で、水に溶けると 亜鉛イオン を放出します。現在の研究では、亜鉛イオンが次のような作用を持つことがわかっています。
ケラチンの合成促進
毛の主成分であるケラチンの生成に亜鉛が必須。
ヘアサイクルの正常化
毛母細胞の分裂に関与し、発毛サイクルを健全に維持。
男性型脱毛症の原因酵素の抑制(可能性あり)
脱毛の原因となる酵素の働きを抑える作用が示唆されている。
シモンコライトは新しい成分のため、ミノキシジルのように作用機序が完全に解明されているわけではありません。しかし、研究の進展により 亜鉛イオン以外の新たな作用も明らかになりつつあり、現在特許申請が進められています。
今後の研究によって、シモンコライトのさらなる発毛メカニズムが解明されることで、新しい発毛成分としての可能性がさらに広がることが期待されます。
どんなに優れた発毛成分でも、続けやすい価格でなければ長期的な使用は難しいもの。価格面では、シモンコライトが圧勝 という結果になりました。その理由を詳しく解説します。
③価格面での違い
ミノキシジルを含む製品は 「第一類医薬品」 に分類されるため、以下のようなコストがかかります。・医薬品登録のための臨床試験:開発には 数億円規模のコスト が必要 ・開発期間の長さ:5年~10年かかることもあり、その分コストが上乗せ ・製造・販売規制:厳しい基準をクリアする必要があり、製造コストが高い そのため、ミノキシジル製品は価格が高くなりがちです。 一方で、シモンコライト含有の製品は 「化粧品」 に分類されるため、以下のようなメリットがあります。
・医薬品と比べて開発コストが低い(臨床試験が不要)
・短期間で市場に提供可能(開発期間が短縮)
・原材料費を抑えつつ、手頃な価格で販売可能
その結果、シモンコライト製品は ミノキシジルに比べて圧倒的に低価格で提供できる というメリットがあります。 発毛ケアを続ける上で「手に取りやすい価格」は大きなポイント。
シモンコライトは、コストを抑えながらも発毛効果が期待できる成分として、手軽に試せる選択肢となっています。
④供給の安定さ
発毛製品の価格には、開発コストだけでなく原材料の調達方法も大きく関わっています。ミノキシジルとシモンコライトでは、その仕入れ先に大きな違いがあります。 ミノキシジルの原材料は、主にインド、イタリア、中国など海外から輸入されています。特に近年は、世界情勢の影響によって物流が混乱し、入荷が遅れることもあるため、価格が変動しやすいという課題があります。
一方で、シモンコライトは100%日本国内で調達されており、安定供給が可能です。これは、シモンコライトが半導体製造の過程で発生する副産物であり、それを有効活用することで低コストで仕入れられるという背景があるためです。
このように、ミノキシジルは海外依存のため供給の不安定さや価格変動のリスクを抱える一方で、シモンコライトは国産原料を活用することで安定した供給と低コストを実現しています。そのため、価格面においてもシモンコライトの優位性が際立つ結果となっています。
⑤安全性
ミノキシジルは、臨床試験を経て安全性が確認されていますが、使用に際していくつかの注意点があります。例えば、高血圧治療薬との併用によって降圧効果が過剰に現れる可能性があり、副作用として湿疹や毛のう炎、接触皮膚炎、コレステロール値の上昇が報告されています。そのため、使用前に薬剤師からの説明を受けることが原則となっており、注意して使う必要があります。ただし、外用薬としての長期使用については概ね安全性が確認されています。
一方で、シモンコライトは動物の飼料添加物としても利用されるほど、体に害がないとされています。亜鉛は人体や毛の健康に必要不可欠な「必須ミネラル」として知られており、特に体にとって害はないため、副作用の心配が少ないとされています。
このように、ミノキシジルには使用上の注意が必要である一方、シモンコライトは比較的安全性に優れており、特に心配せずに使える点が特徴です。どちらも安心して使用できますが、個別の使用目的に応じた選択が重要です。
⑥買いやすいさ
ミノキシジルは第一類医薬品なので、AGA治療を行っている医療機関、または薬剤師のいる薬局薬店でないと買えません。ネット購入も法律に定められた手続きが必要です。一方でシモンコライト配合の商品はネットですぐに購入が可能です。
⑦使い心地
ミノキシジルは無色透明の液体で、使用時に目立たず、簡単に頭皮に塗布できます。一方、シモンコライトは水に溶けにくく、沈殿しやすい性質があります。これにより、使用時に白く固まり、フケのように見えることがあります。そのため、シモンコライトを使用する際には見た目が気になるという問題がありました。
しかし、テイカ製薬では研究の結果、シモンコライトを微粒子化する技術を開発しました。このナノレベルでの微粒子化により、シモンコライトは透明になり、使用感が大幅に改善されました。この技術はテイカ製薬ならではのもので、透明度が高いため、ミノキシジルと遜色ない使いやすさを実現しています。